これまで「参加者と主催者の橋渡しをするポータルサイト」として歩んできたモタスポ.net、今回は橋渡し役だけでなく「実際に現場を訪れて」その魅力をお伝えすることに! ということでモタスポは、12月に梅雨明けしたばかりの「微笑みの国;タイのパタヤ」まで行ってまいりました。

モタスポ.netでもエントリー受付を行っている「ジェットスポーツ」イベント、最盛期を過ぎ、現在では少ないエントリー数での開催となっている。しかし現在でも参戦し続けるライダーたちは、いわば「コアなユーザー」なので、イベントの内容自体は依然として充実している。しかしここ最近では近隣諸国(タイ・韓国・中国・フィリピン・マレーシアなど)での人気が急上昇、アメリカ圏・ヨーロッパ圏と並ぶ盛り上がりを見せているのがアジア圏なのだ。

さてそんなジェットスポーツイベント業界において、全世界で最も人気と名誉・魅力のある海外戦が存在する。それが

IJSBA

IJSBA World Finals(アメリカ アリゾナ州 レイクハバス)

Jet Ski World Cup(タイ パタヤ)

前者はジェットスポーツ団体の総本山「International Jet Sports Boating Association(以下IJSBA)」で、全世界のジェットスポーツ団体のほとんどが所属及び傘下となっている。通念をとおして各国で開催されているジェットスポーツ競技、そのNo.1を決めようというのが毎年10月にアメリカ アリゾナ州 レイクハバスで開催されるWorld Finalsなのだ。2019年に開催された大会で37回目となる、まさに「ジェットスポーツイベントの甲子園」といったものである。

これに対し後者のイベントはタイのジェットスポーツ団体である「Thailand Jet Sports Boating Association(以下TJSBA)」が開催するもので、ここ数年、イベントの規模や内容・賞金などが充実し、これまで主役だったIJSBA World Finalsをも凌ぐ人気と集客を誇るまでに育っている。この大会は元々「タイの故プミポン国王(ラーマ9世)の誕生日(12/5)」を祝う12月に開催されていたこともあり、通称「King’s Cup」とも呼ばれる。発端は「ASIAN WATERCROSS SUPERCUP」という名称の大会で、この頃から数えると2019年で15回目となる。過去には数か所の開催地で実施されたこともあるが、現在ではパタヤでの開催が定着している。2016年のプミポン国王ご逝去後は、正式名称を「Jet Ski World Cup」に変更したが、これまで使用してきた通称が根強く定着しており、現在でも「King’s Cup」と称されることがほとんどだ。またこのタイでのイベントを開催するプロモーターに勢いがあり、2019年度からは「真の世界一を決める統一戦」として「Jet Ski World Series」なるシリーズ戦をスタート。初年度は「ベルギー・アメリカ・タイ」での3ラウンドを開催、モタスポも現地入りしたタイでの大会が最終戦となり、チャンピオンを決定した。ちなみにこの大会でのPro Sports GPクラス初代チャンピオンに輝いたのは、日本から参戦した若武者:片野丈一郎選手である。全戦参戦した彼は、優勝こそしなかったもののコンスタントにポイントを稼ぎ、初代チャンピオンという快挙を成し遂げた。

さてそんな魅力的な2大会、今回はモタスポ編集部員が去る2019年12月上旬に開催された「Jet Ski World Cup 2019」に訪タイ、その魅力をお伝えしたいと思う。タイや同大会を訪問・観戦するだけであれば、誰でも代金を支払うだけで可能、これについては後述しよう。まずはこの大会に参戦する選手は「如何にしてその権利を得ているか?」をご紹介しよう。

まず同大会への参加資格には

  • 要推薦枠
  • 自由参加枠

~の2通りの参加方法が存在する。

平たく解説するなら「高額賞金が存在するクラス(1位の優勝賞金10,000USD以上)は要推薦、それ以外はご自由に参加ください!」といった感じだ。もっとも高額賞金の支払われる「Pro Skiクラス」においては実に「45,000USD!」という賞金、物価の安いタイにおいては途方もない金額である。他のモータースポーツと比べると安価であるかもしれないが、それは「業界ごと」に価格差があるので如何ともしがたいが、ジェットスポーツ業界でこの価格は「破格の金額」なのをご理解いただきたい。

そんな賞金設定もあり、上位クラスには国毎に出場枠が与えられ、これを各国のジェットスポーツ団体が選手に割り振るのである。基本的には「同年内のランキング上位者」から権利があることが告げられ、これを選手が受け入れるかを問うわけだ。むろん誰もがみな受け入れるわけではなく、諸事情により辞退者も現れ、その権利は次候補へと引き継がれていく。そしてTJSBA側より提示された人数分の受諾者が揃った時点で、参加者枠が埋まるということになる。これが「推薦枠」のライダーということになる。

ちなみに「自由枠」のクラスに参戦を希望するライダーは、エントリー用紙とエントリー料を支払えば希望のクラスに参加は可能なので、「お金と時間」に融通の利くライダーは、誰でも気軽にチャレンジできるということになる。金額こそ小さいがほとんどのクラスに賞金も用意されている、タイ旅行や腕試し・記念にチャレンジするのもアリだろう。ただし参戦には居住国団体の「国際ライセンス」が必要となる、団体に所属していれば簡単に入手できるので覚えておこう。

Japan Jet Sports Federation(2019年度現在)
※上位クラスへの推薦枠も

Aquabike Japan(2019年度現在)
※上位クラスへの推薦枠も
※2020年以降は日本ジェットスポーツ協会と共同開催

そして2019年度からは「Aqua Boardクラス」も新設されたので、ジェットスポーツカテゴリーに限らず、さらに多くのユーザーが参加できるイベントへと進化した。

Japan Hydro Fright Association(2019年度現在)

文頭にも既述したように「日本国内では低迷期」にあるジェットスポーツイベントだが、海外、特にアジア圏での注目度は急成長中。昨年のアジアンゲーム/ジャカルタ大会においては「過去に前例のない!エンジン付として初となる競技種目」でジェットスキー競技が仲間入りを果たしている。バイクでもクルマでもなく「ジェットスキー」なのである、これは大きなトピックとして「モータースポーツ業界全体」を震撼させた(下記コラム参照)。

https://toyotagazooracing.com/jp/blogcolumn/column/227/

海外での注目度ばかりを取り上げたが、日本国内でも復調の兆しがないわけではない。2020年度、ジェットスポーツ分野に新団体が設立する!それがモタスポ.netでもエントリー受付を担当する「一般社団法人:日本ジェットスポーツ協会」である。

現在国内には3つの団体が存在し、日本ジェットスポーツ協会は4団体目となる。「団体が乱立している?」と感じるかもしれないが、2020年、国内の関連団体においては様々な変化や変更がすでに発表されているので心配には及ばない。今後のジェットスポーツイベントに期待してほしい!

今回は

  • ジェットスポーツイベント紹介
  • Jet Ski World Cup 2019とは
  • 参加手段

~に関してお伝えしたが、次回は「実際に参戦するには」について投稿予定です!

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